小児の2型糖尿病でも薬物治療をするの?

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子どもの糖尿病の薬物療法に関する原則

1型糖尿病はインスリンを分泌する膵β細胞がこわれていく病気なので、遅かれ早かれインスリン注射が必要になり、経口血糖降下薬を使うことはほとんどありません。それに対して、2型糖尿病の治療では食事療法と運動療法が中心になりますが、それでも血糖がコントロールできないときは、経口血糖降下薬やインスリン製剤を使うことがあります。

主な経口血糖降下薬は、αグルコシダーゼ阻害薬、速効型インスリン分泌促進薬(グリニド系薬、インスリン抵抗性改善薬)、スルホニル尿素(SU)薬、ビグアナイド薬、チアゾリジン薬、インクレチン系薬の6種類です。
16才以降になれば、大人と同じ薬物療法を行ないますが、16才未満の場合は使用が認められていない薬や適切かどうか確認されていない薬もあるので、安易な薬の使用は慎まなければなりません。

小児や思春期の糖尿病の薬物療法を行う際には、原則が2つあります。1つは、食事療法と運動療法で血糖がコントロールできない場合に限り薬を服用するということです。大人では合併症を予防するために早めに薬の服用を始めることもありますが、子どもではそのようなことはしません。

もう1つは、病態に合わせた薬を選択するということです。前述したように、2型糖尿病の病態はさまざまなので、インスリン分泌不全型にはインスリンの分泌を促進する薬を、インスリン抵抗性には抵抗性を改善する薬を使うことが大原則となります。場合によっては組み合わせて使用することもあります。
では小児の糖尿病に使用されている代表的な2種類の薬剤の特徴と注意点にてついて説明します。

αグルコシダーゼ阻害薬の特徴と使うときの注意

αグルコシダーゼ阻害薬は、腸管からの吸収を防ぐ薬です。食品に含まれる糖質の多くは、多糖類といって、糖の分子がいくつも結合しています。それが唾液や膵液に含まれるアミラーゼという酵素で分解されて、麦芽糖(マルトース)、ショ糖(砂糖)、乳糖(ラクトース)などといった二糖類になります。二糖類はさらに、小腸の粘膜にあるαグルコシダーゼという二糖類分解酵素によってブドウ糖(グルコース)、果糖(フルクトース)、ガラクトースといった単糖に分解されて吸収されます。

αグルコシダーゼ阻害薬は、αグルコシダーゼの働きを阻害することによって、二糖類が単糖になるのをおくらせて血糖の上昇をゆるやかにします。

現在、認可されているαグルコシダーゼ阻害薬は、ボグリボース(商品名:ベイスン、ベイスンOD)、アカルボース(グルコバイ)、ミグリトール(セイブル)の3種類です。子どもの糖尿病にも広く使われていますが、ほかの薬との併用は注意が必要であるとされています。

スルホニル尿素薬の特徴と使うときの注意

スルホニル尿素(スルホニルウレア)薬は、SU受容体に結合してインスリンの分泌を促す薬です。最も古くから使われている薬で、現在、子どもに使用が認められているのは、トルブタミド(商品名ラスチノン)、グリクロピラミド(デアメリンS)、グリクラジド(グリミクロン、グリミクロンHA)、グリベンクラミド(オイグルコン、ダオニール)です。

インスリンをたくさん分泌させると、ブドウ糖はエネルギーとして利用されますが、余分なエネルギーは体に蓄積されるので、太ることになります。
したがって、食事療法や運動療法を守らずに、安易にスルホニル尿素薬を使うことは禁物です。特に、高度肥満の場合には体からのインスリンの分泌が亢進しており(高インスリン血症)、肥満を助長しかねないので、使わないほうがよいと考えられています。また、膵β細胞に働きかける作用が強いので、使いすぎはβ細胞を疲弊させることになります。

もともとβ細胞の機能が落ちている人の場合には、食後の高血糖を抑える速効型インスリン分泌促進薬を使ったあとで、スルホニル尿素薬を使うことがあります。
しかし、使いすぎはもともと弱いβ細胞をむち打つことになるので、β細胞を長持ちさせるためには、早めにインスリンを併用したり、インスリンに切替えたりします。

まとめ

2型糖尿病の多くは、食事療法と運動療法が治療の中心になりますが、インスリンの分泌やインスリン抵抗性の程度により、経口血糖降下薬を使うこともあります。

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