小児2型糖尿病の気になる原因とは

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インスリンの不足により起こる糖尿病

2型糖尿病には2種類あります。1つは、もともと膵臓のβ細胞(膵β細胞)が弱くて、インスリンをたくさん分泌できないために起こる糖尿病です。

インスリンの分泌は2相に分かれています。食事をとったあと血糖値が上がってくることに対してすぐさま対応するために分泌してくる第1相の分泌と、その後持続する血糖上昇を抑えるために分泌される第2相の分泌です。これがうまく血糖値と対応しているので、通常血糖値は70~140 mg/dlの間を上下しているのです。このタイプの糖尿病はインスリンの第1相、第2相の分泌がいずれも低下しています。

縄文時代の日本人は、木の実を採取したり、狩猟や漁猟によって捕獲した獣・魚介類などを食べて生きてきました。このころは、獲物をとるために動き回らなければならず、食料の絶対量も少なかったので、インスリンの分泌量が少なくても問題はありませんでした。
やがて農耕を行うようになり、穀物を食べるようになりましたが、穀類は消化がよく、少量のインスリンでも必要なエネルギーを得ることができます。むしろ、少量の食糧をインスリンで効率よくエネルギーに変えられる遺伝子を持った人のほうが生き延びることができたのです。そのような遺伝子を「倹約遺伝子」と呼んでいますが、農耕民族の日本人には倹約遺伝子を持っている人が多いと考えられています。炭水化物を主食とし、ほどほどのタンパク質と脂肪を摂取してきたのが、日本人の長年の食生活だったのです。このような食習慣では糖尿病を発症する人もわずかでした。

ところが、戦後、食糧事情が好転して、食べる量が増え、タンパク質と脂肪の摂取量が多くなると、少量のインスリンでは血糖を十分処理することができず、血中に余ってしまいます。もともとインスリンを少量しか分泌できなかった膵β細胞には、能力以上の負担がかかることになり、疲弊していきます。このような状態になることで起きるのが日本人に古来からある2型糖尿病で、このタイプの糖尿病の人は必ずしも太っているわけではありません。

インスリン抵抗性により起こる2型糖尿病

もう1種類の糖尿病はインスリン抵抗性があるために、つまり、インスリンの働きが悪いために起こります。インスリン抵抗性に関連した遺伝子があり、脂肪や動物性のタンパク質を多く摂取したり、過食の結果として太ると、インスリン抵抗性が大きくなっていきます。

インスリン抵抗性があっても、膵β細胞が強ければ、インスリンはどんどん分泌されるので、余剰のエネルギーは体内に取り込まれ、ますます肥満になります。欧米の人に多い2型糖尿病が、まさにこのタイプです。日本人にはめったに見られないような著しい肥満体の欧米人が少なくないのは、かれらが高脂肪食をとりつづけ、その食生活に合った遺伝子を持った人たちが生き残ってきたからです。

日本人は一般に欧米人に比べてβ細胞がひ弱な民族です。ですから、過食・高脂肪食に耐え切れず、現在のように糖尿病患者が急増したのです。

成人の2型糖尿病にくらべて、小児や思春期の2型糖尿病には肥満の人が多い傾向があります。それがなぜなのか、たとえば、欧米型の遺伝子をもった人が増えているのか、β細胞が加齢の影響を受けていないせいなのかなどさまざまに考えられていますが、はっきりしたことはわかっていません。

最近の研究により、2型糖尿病にかかわる遺伝子がいくつも発見されており、1型糖尿病よりも多くの遺伝子が関係していると考えられています。血のつながった家族の中に2人以上の2型糖尿病の人がいる割合も1型糖尿病より多く、小児の2型糖尿病ではその割合は約50%といわれています。

まとめ

膵β細胞に影響を与える遺伝子やインスリン抵抗性をもたらす遺伝子などがもとにあり、生活習慣が引きがねになって2型糖尿病は発症すると考えられます。

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