赤ちゃんの糖尿病は遺伝のせい?

639706c1ba6fe0bbf040609011f25f11_m

新生児の糖尿病

生後1ヶ月以内に高血糖のためにインスリンの投与が必要になり、その状態が2週間以上持続するものを「新生児糖尿病」といいます。発症頻度は40万人に1人と言われていますから、非常にまれな病気といえます。

新生児糖尿病には、高血糖が一時的で、インスリン投与後に血糖が正常になる一過性と、高血糖状態が持続する永続型があります。一過性のものは、インスリンを投与していると、数ヶ月ぐらいでインスリン投与の必要なくなります。しかし、その後、2型糖尿病を発症するケースもあるので、定期的に受診することになります。

新生児糖尿病の赤ちゃんは、胎内でのインスリン不足から発育不全を起こすことが多いので、出生時の体重の増えが悪いのですが、インスリン投与後は体重が増加してきます。そのほか、はじめは尿量が多い(おむつを頻繁にぬらす)、水分をほしがるという症状あり、進行すると元気がない、機嫌が悪い、ミルクや母乳の飲みが悪い、嘔吐、発熱などの症状がみられることがあります。

原因遺伝子が特定されている

新生児糖尿病の中には、原因となる遺伝子がわかっているものもあります。インスリン遺伝子の異常、膵β細胞の膜上にあるイオン通過門の遺伝子の異常などです。

細胞の膜には、カリウムやカルシウムなどのイオンが通過する専用門のようなものがいくつかあります。それらを構成しているKir 6.2と呼ばれている遺伝子やSU受容体(レセプター)遺伝子の異常がインスリン分泌の異常を起こすことがわかってきました。インスリンが出すぎる新生児低血糖の原因にもなりますし、分泌が低下する新生児糖尿病の原因にもなるのです。

SU受容体はスルホニル尿素薬(SU薬)が結合する部位としても知られていますが、Kir 6.2とSU受容体遺伝子異常による新生児糖尿病の中には、内服薬であるスルホニル尿素薬を投与するとインスリンの分泌状態が改善するものがあります。しかし、スルホニル尿素薬が赤ちゃんにどの程度まで安全に使えるのかについては、わかっていません。

遺伝的体質に感染症などがきっかけとなって発症

欧米のデータをみると、母親より父親が1型糖尿病である場合に、子どもが1型糖尿病を発症するリスクが高くなります。
遺伝的体質の中で、最も関与が高いといわれているのが白血球の型であるHLAに関する遺伝子で、1型糖尿病の約40%にHLAの遺伝子が関与していると考えられています。特にHLAのDR4とDR9を持っていると1型糖尿病を発症しやすいこと、逆に、DR2型は糖尿病発症に抵抗性があるので、糖尿病を発症しにくいことがわかっています。

ただ、一般人口の中で、DR4やDR9を持っている日本人は少ないわけではありませんが、日本人の1型糖尿病の発症率は10万人対2~3人ときわめて低い率なのです。そのことから、1型糖尿病の発症に関与する遺伝子は1つだけではなく、いくつかあることや、遺伝子のほか、発症の引きがねになるような後天的な要因も関係していると考えられています。

その引きがねとして最も疑いが濃厚なのはウイルス感染で、コクサッキーウイルス、アデノウイルス、風疹ウイルスなどが候補にあげられています。

まとめ

インスリン欠乏型の糖尿病は自分を守るはずの免疫が自分の膵臓の細胞を攻撃することで発症します。遺伝的な体質に、感染症などの後天的な要因が加わって起こると考えられています。

美味しく食べてダイエット!? おいしい糖質制限食は『はなうたキッチン』