2型糖尿病の合併症、子どもに起こりやすいものとは?

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糖尿病は万病のもと、多彩な合併症がおこる

高血糖が続くと、血中でだぶついているブドウ糖がいろいろな組織にくっついて、さまざまな合併症を引き起こします。中でも多いのが、細小血管の障害である「糖尿病性神経障害」「糖尿病性網膜症」「糖尿病性腎症」で、これらを糖尿病の三大合併症と呼んでいます。

また、太い血管が動脈硬化を起こし、心筋梗塞や脳卒中になることもありますし、免疫機能が低下して、感染症などが起こりやすくもなるというように、糖尿病は言ってみれば「万病のもと」なのです。

合併症が起こると、QOL(生活の質)がそこなわれますし、命にかかわることもあります。血糖コントロールが必要だと言われるのは、合併症を防いだり、病気の進行を遅らせるためなのです。

子どもの血管は若々しくて弾力性に富んでいるからなのか、糖尿病になっても、子ども時代には血管障害が多いわけではありません。しかし、糖尿病にかかっている期間が長くなるほど合併症のリスクも高くなることは確かなので、大人になってからも合併症を起こさないようにするには、高血糖と診断された時点から血糖のコントロールが必要です。

神経障害は最も早く起こる合併症だが子どもには少ない

三大合併症の中で最も早く起こるのが糖尿病性神経障害で、高血糖が5~10年続くとあらわれるといわれていますが、子どもの場合にはあまりみられません。

症状は、どこの神経に障害が起こるのかで変わってきます。たとえば、知覚神経が障害されると、手足のしびれや痛みや異常な感覚、自律神経の障害では嘔吐、下痢、尿・便失禁などがあらわれます。

高血糖が7~10年続くと糖尿病性網膜症の心配も

糖尿病性網膜症は目の網膜に張り巡らされている毛細血管に起こる障害で、高血糖が7~10年に続くと発症すると言われています。高血糖の継続は血管の壁の変性をもたらし、血液や血中に含まれる成分がもれてきたり、網膜がむくんできたりします。この状態を「単純網膜症」といいます。しかし、この段階では、ほとんどの場合、まだ自覚症状はありませんし、血糖コントロールによって症状が改善される可能性があります。ただ、黄斑という網膜の中心にむくみが生じることがあり、その場合には、中心の視力が低下して、物が見えにくくなります。

糖尿病性網膜症が進むと毛細血管が閉塞してきます。これを「増殖前網膜症」といいますが、さらに進行すると、新しい血管(新生血管)ができて透明な硝子体に入り込んだり、新生血管から出血したりします。この「増殖網膜症」の段階になると、失明することがあります。現在、わが国での中途失明(一般に15~60才くらいの間に起こった失明)の第1位は緑内障、第2位が糖尿病性網膜症によるものです。

透析療法の原因の1位を占める糖尿病性腎症

腎臓には尿をこし出す毛細血管のかたまりである糸球体と、水分やナトリウムを再吸収する尿細管があります。糖尿病性腎症では、高血糖が続いたために糸球体が障害され、腎機能が低下します。

進行して「尿毒症」になると、水分や老廃物が排泄できず「腎不全」に陥ります。腎不全は命にもかかわる腎臓病の末期症状なので、腎機能を代行するために透析療法が行われます。
現在、毎年新たに透析療法が導入される人の原因の第1位が糖尿病性腎症です。

糖尿病性腎症の主な症状は持続性のタンパク尿ですが、タンパク尿があらわれてからでは治療がむずかしくなります。そこで、タンパク尿が出る前、早期に糖尿病性腎症を発見する方法として、尿中アルブミン排泄量の検査が行われています。羅病期間や病状がどの程度かにもよりますが、1年か半年に1回はこの検査が必要です。早期腎症の時期からしっかりと管理すると、尿にアルブミンが排泄されなくなることがわかってきました。

小児・思春期糖尿病に特徴的な合併症

小児期や思春期に糖尿病を発症すると、成人になってからの発症では起こらない合併症や起こりにくい合併症が起こることがあります。

成長への影響

血糖のコントロールが悪い子どもは、身長の伸びが悪かったり、思春期初来(月経開始や精巣の発達)が遅れたりすることがあります。特に1型糖尿病の子どもは、ほかの自己免疫疾患を合併していることも多いので、身長の伸びが悪いときは、成長ホルモンである甲状腺ホルモンの検査が必要です。

いずれにしても、成長曲線などで年齢に合った成長をしているかどうかのチェックが必要です。また、低年齢で発症した子どもの中には、認知機能の低下や精神症状がみられることがあるとの報告もあります。

関節や骨に起こる合併症

健康な子どもにくらべて、肩の関節の動きにくさや痛みを感じる子どもが多いと言われています。手指の関節、手首、ひじなどの関節が動きにくくなることもあります。

また、インスリンは骨の代謝にかかわっているため、インスリン不足により骨量が減少することがあります。そのため、1型糖尿病の人には骨量の少ない人が多いことがわかっています。

まとめ

合併症を予防するために血糖コントロールが必要ですが、健康な子どもと同じようにいろいろな体験を積んで、のびのび過ごすことも大切です。

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